欧州議会、著作権新指令案否決 条項見直し9月に再投票へ

欧州議会、著作権新指令案否決 条項見直し9月に再投票へhttp://www.itmedia.co.jp/news/articles/1807/05/news140.html
となったそうです。

この指令案の正式名称は、「デジタル単一市場の著作権に関する欧州議会および委員会指令提案」( Proposal for a DIRECTIVE OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL on copyright in the Digital Single Market)です。

同指令は、6月20日に欧州議会・法務委員会において可決されていたものです。

この著作権指令改正案は、「デジタル技術の進展が著作物やその他の作品の創作方法、生産方法、配信方法、悪用方法を変えている、新しい使用は、新しいプレーヤー、新しいビジネスモデルともに、出現している。デジタル環境において、国境を越えて利用されており、消費者にとって、著作権保護されたコンテンツにアクセスする機会が重要になっている。著作権枠組によって設定された目標と原則は、健全なものであるが、新しい現実に適応する必要が存在するのである」ということから、改正案が提案されていたものです。

特に、ISPとの関係で、問題となるのは、13条にとなります。

同指令13条は、ネットワークにおける通信に対する関与を是としない立場からは、検閲マシーン条項と揶揄されています。
13条の条文は、

ユーザによるアップロードされる大量の作品等を保存し、アクセスをなす情報社会サービスプロバイダーによる保護されたコンテンツの利用(Use of protected content by information society service providers storing and giving access to large amounts of works and other subject-matter uploaded by their users)

1. 大量の作品や利用者がアップロードしたその他の主題を一般市民に保存して提供する情報社会サービス提供者は、権利者と協力して、権利者と作品の使用について締結した契約の機能を確保するための措置を講じる/またはサービス提供者と協力して権利所有者によって特定された作品またはその他の対象物に関するサービスの利用可能性を防止する(shall)。 効果的なコンテンツ認識技術の使用などの措置は、適切かつ比例していなければならない。サービス提供者は、関連する場合には、措置の機能および実施について作品およびその他の対象物の承認および使用に関する適切な報告について適切な情報を権利者に提供しなければならない。

2. 加盟国は、パラグラフ1で言及された措置の適用に関する紛争の場合、利用者が利用できる苦情および救済メカニズムを、第1項に記載のサービス提供者が適所に置くことを確実にしなければならない。

3. 加盟国は、適切な場合には、情報社会サービス提供者と利害関係者の対話を通じて、とりわけサービスの性質、技術の進歩に照らしたその有効性と効果を考慮にいれて、適切かつ比例するコンテンツ認識技術などのベストプラクティスを定義するために協力を促進する。

です。

この趣旨については、同指令改正案の前文(37)ないし(39)に詳述されています。
具体的には、

(37)過去数年間、オンラインコンテンツ市場の機能は複雑さを増している。権利保有者の関与なしにユーザーによってアップロードされた著作権保護されたコンテンツへのアクセスを提供するオンラインサービスは、盛んになり、オンラインコンテンツへの主なアクセス元になっています。これは、権利の保有者が、自分の著作物や他の対象物が使用されているかどうか、またどのような条件の下で、適切な報酬を得る可能性を判断する可能性に影響する。

(38)情報社会サービス提供者が、ユーザがアップロードした著作権保護された作品またはその他の対象物に公共のアクセスを提供する場合、物理的設備の単なる提供や一般に伝達する行為を行うことを超えており、欧州議会および理事会の指令2000/31 / ECの第14条に規定されている責任免除の対象とならない限り、権利者とのライセンス契約を締結する義務がある。
第14条に関しては、アップロードされた作品や対象物の提示を最適化すること、またはそれらを促進することを含む、サービスプロバイダが積極的な役割を果たすかどうかを、その手段の性質にかかわらず検証することが必要である。
許諾契約の機能を確実にするために、大量の著作権保護された作品またはユーザーがアップロードしたその他の主題に公衆へのアクセスを保管し提供する情報社会サービスプロバイダは、著作物の保護を確実にするために、効果的な技術の実施など、その他の主題を含む。この義務は、情報社会サービス提供者が指令2000/31 / ECの第14条に規定されている免責免除の対象となる場合にも適用されるべきである。

(39)ユーザと権利者によってアップロードされた大量の著作権保護された作品やその他の対象物に対して、一般にアクセスしてアクセスを提供し、提供する情報社会サービスプロバイダと、権利者が、協力することは、コンテンツ認識技術などの技術が、機能を果たすことにとって不可欠である。そのような場合、権利者は、サービスがコンテンツを識別できるようにするために必要なデータを提供し、権利者が、適切な評価をすることを可能にするために実際に利用されたテクノロジに関する透明性を有する必要がある。このサービスは、特に権利者に、使用される技術の種類、操作方法、および権利者のコンテンツ認識成功率に関する情報を提供する必要がある。これらの技術は、権利者が情報社会サービスプロバイダから、コンテンツの使用についての情報を入手することも契約によって認められるべきである。

ということです。

なお、この前文のなかの著作権指令14条というのは、ホスティングプロバイダの規定です。

第14条 ホスティング
1. サービスの受取人により提供される情報の保存からなる情報社会サービスが提供される場合には、加盟国は、次の各号に掲げる条件を満たす限り、サービスプロバイダーが、サービスの受取人の求めにより保存した情報に対しては責任を有しないことを、保証しなければならない。
(a)そのプロバイダーが、損害賠償の請求に関する違法な行為又は情報を実際に知らないこと、そして、違法な行為又は情報が明白である事実又は状況に気付いていないこと、又は
(b) プロバイダーが、そのようなことを知り、かつ、気付いたときに、その情報を除去するか又はそれへのアクセスを不可能にするために、迅速に行動すること。
(略)