「海賊版対策タスクフォース、ブロッキングで議論紛糾」の記事よりも実際的なもの

「海賊版対策タスクフォース、ブロッキングで議論紛糾」という記事がでています。7月18日の政府の知的財産戦略本部は2018年7月18日、「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議(タスクフォース)」の第3回会合に関する記事になります。

個人的には、そろそろ、立法論的な解決にむけて、個々の法域の実務がどのようになっているかの詳細な調査をもとに、むしろ、立法論を論じるべき時期にきているかと思います。

そのような観点からみるときに、個人的に、誰と、誰の意見が、どうした、というよりも、この会議の資料に興味深いものが見つかるかと思います。

今回の資料は、こちらですね。

「知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会 インターネット上の海賊版対策に関する検討会議 (タスクフォース)(第3回)」

記事で紹介れているアンケートも興味深いですね。資料4ですね。
法的な立場からは、
資料7 : 奥邨氏提出資料(オーストラリア)
資料8 : 張氏提出資料(韓国)
がそれぞれ興味深いものです。

(1)オーストラリア

オーストラリアについては、2015年の115A条において海外のプロバイダに侵害コンテンツがホストされている場合に、裁判所の命令によって規制を及ぼすものが紹介されています。なお、詳細については、「サイトブロッキングと著作権法 ~オーストラリアの制度を参照しつつ~」という論考が公表される予定とのことです。

海外からの通信であることから、憲法論、事業法の議論とかは、わが国においても関係がなくなるのではないかということが示唆されているのかもしれません。

(2)韓国

韓国については、この資料の5に記載されています。

著作権を侵害する情報は、情報通信網利用促進及び情報保護などに関する法律第44条の7第1項9号の「その他犯罪を目的とするか、教唆又は幇助する内容の情報」に当たると解されている

放送通信委員会は、当該サイトに掲示されている情報が同号に当たるかどうかを審議することができる。

文化体育観光部長官からの要請があった場合には、当該情報の情報通信サービス提供者又は掲示板の管理・運営者に対し当該除法の取扱いを拒否・停止又は制限するように命じなければならない(同条3項1号)。

そして、放送通信委員会の設置及び運営に関する法律第25条1項2号に基づき、放送通信審議委員会は、情報通信網利用促進及び情報保護などに関する法律第44条の7に従い、不法情報流通に対する取扱いの拒否・停止又は制限(ブロッキング)といった制裁措置を定めることができるとされている。

ということになります。

また、ドイツなどでは、著作権者の調査・対応義務が尽くされることがブロッキングの要件であったり、イギリスでは、費用が、権利者負担という判断が示されたりと、非常に、具体的な比較法の調査の重要性が示されているように思われます。