報告書以降の英国の判決例(カルティエ事件)

前のエントリで、ふれた総務省報告書になりますが、一番の問題点は、2016年2月時点の法的状況をまとめたものということになります。

できますれば、著作権団体なり、プロバイダなり、タクスフォース関係者なりから、調査資金をいただければ、各法域について、アップデートできるかと思います。
なので、利害関係者の方は、ぜひとも、アップデートについて、資金をご準備の上、追加調査をオーダいただけるとと思います。よろしくお願いします。ご連絡は、株式会社ITリサーチ・アートまで。

非常に重要な問題であるにも関わらず、インテリジェンスについては、ボランティア頼りというきわめて日本的な状況は打破したいという気持ちはあります。

それは、さておき、差止の場合の費用の負担を、権利者側とするのか、プロバイダ側とするのか、というきわめて実際的な問題が議論されているのも、このような比較法的な検討によって得られる成果ということがいえるかと思います。
この事件は、Cartier International AG and others (Respondents)v British Telecommunications Plc and another (Appellants) になります。判決(201年6月13日 )のリンクは、こちらです

日本語でも紹介がなされています。専門的な紹介はこちら。(東海大学 ファッションローコラム)

タスクフォース1回目でも議論が紹介されています (19頁 丸橋さん)

要点としては、裁判所は、Norwich Pharmacal事案において、申立人が費用を負担していること、不正行為を追跡するために銀行が、情報開示のための命令を受ける場合に銀行が費用を負担していることなどから、差止命令は、エクイティから生じるものであることを理由として、権利者側が負担することを認めました。

もっとも、EU法において、プロバイダの特権が認められる代わりにコストは負担すべきとの考えもありうるが、コスト負担の問題は英国法の問題であるともしています。