電波法からみる「通信の秘密」(1)

去る7月23日に、無法協での無線法研究会が開催されて、そこでは、無線における「通信の秘密」が、テーマになりました。

このエントリでは、そのときの議論を、備忘のために、記録しておきたいと思います。

なんといっても、暑さのあまり、いつもは、きちんと仕込む1st jokeなのですが、当日は、忘れてしまいました。が、このエントリでは、きちんとだします。

 

 

 

 

 

 

私の無線従事者証です。一生有効です。まだ、霞が関の入館のときにだしたことはありませんが、有効なはずです。

アマチュア無線の免許の試験を受けたことのある人ならば、電波法の試験で、秘密の保護についての問題がほぼ毎年、出ているといったら、わかると思います。そのくらい、無線従事者にとっては、秘密の保護というのは、重要な事項になるのです。私の人生最初に勉強した法律は、電波法ですし、最初の論点は、通信の秘密でした。

例えば、私は、当時は、電話級(いまは、その用語自体ないです。4級になっています)でしたが、ネットでみたら、いまでも、あたりまえですが、出題されています。リンクは、こちら。

「A-10 次の記述は、無線通信の秘密の保護について電波法の規定に沿って述べたものである。 内に入れるべき字句の正しい組合せを下の1から4までのうちから一つ選べ。」

として、電波法59条(秘密の保護)、同 109条1項および2項の定めを聞いています。この問題は、1級ですが、私にも答えられました。

最初に、これらの規定をみていきましょう。

電波法59条(秘密の保護)
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第四条第一項又は第百六十四条第三項の通信であるものを除く。第百九条並びに第百九条の二第二項及び第三項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。

同109条
  無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 無線通信の業務に従事する者がその業務に関し知り得た前項の秘密を漏らし、又は窃用したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

となっています。

これだけみると、ふーむ、となってしまうのですが、実は、この規定は、電気通信事業法の規定と比較すると面白いことが分かってきます。
では、とりあえずならべてみましょう。

電気通信事業法4条(秘密の保護)
電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。

第179条 電気通信事業者の取扱中に係る通信(第百六十四条第三項に規定する通信を含む。)の秘密を侵した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

となっています。どこが、違うのか、というのを理解するには、電気通信事業法における「通信の秘密」の通常の理解をみていかないといけません。

そこからは、次のエントリで。