市場とその画定

市場というのは、「需要者と供給者の出会う場」ということになります。「一定の取引分野」という制定法上の用語で理解することも可能です。

競争法が念頭におくのは、「市場」における「公正な競争」の維持ということになりますから、この「市場」を画定するのがきわめて重要なことになります。

きわめて、理論的に、まとめられている文書として、ECにおけるCOMMISSION NOTICE on the definition of relevant market for the purposes of Community competition law が参考になります(邦訳はここ)。

競争法は、「市場における競争を減殺する(又はそのおそれがある。)効果を有する一定の行為」を禁じているので、通常は「市場を画定した上で,当事者らの当該市場における地位等を考慮した上で 判断」することになります。

また、市場画定は、合併規制においても重要です。というのは、合併を規制するのは、「製品、サービスの供給における構造的変化を規制する」ことによって、「市場の実質的部分において効率的な競争が著しく妨げられるであろう支配
的地位の確立、強化を防ぐこと」にあると考えられているので、まさにその市場が、何であるのかというのが、最初に検討すべき事項ということになります。

わが国で「競争が制限されるか否かを判断するために、一定の取引の対象となる商品の範囲、取引の地域の範囲(以下「地理的範囲」という。)等に関して、基本的には,需要者にとっての代替性 という観点から、加えて、必要に応じて、供給者にとっての代替性という観点から、市場(一定の取引分野)が画定される」ということがいわれています。(たとえば、「データと競争政策」24頁) これは、世界的にも共通の考え方です。

では、この考え方に基づいて、どのようにして「市場」を画定するのか、ということになります。

市場(Relevant Market、関連市場)は、「製品市場」と「地理的市場」とにわけて考察されます。

関連製品市場とは、「その製品特性やその価格、使用用途によって、消費者が交換可能あるいは代替可能であるとみなす全ての製品及び/又はサービスからなる。」とされています。

また、

関連地理的市場とは、「関連事業者が製品又はサービスの供給と需要にたずさわっている地域からなり、そこでは競争の条件が十分に同質であり、競争の条件が明らかに異なっているという理由で、近隣の地域と区別ができるような地域である。」とされています。

具体的な方法については、おって考えていきましょう。