ソフトウエア開発契約についてのモデル契約について

ソフトウエア開発については、現在、種々のモデル契約が明らかにされています。

具体的には、

(1)経済産業省「情報システム・モデル取引・契約書<第一版>」

これは、「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会 ~情報システム・モデル取引・契約書~」のアウトプットとして公表されています。

概要についてはこちら

報告書(含む契約書)は、こちら

大部であり、契約書は、報告書の一部となっているという点が特徴でしょう。当時の問題となるところについては、選択的に選べたり、また、条項自体も、当事者の公平に配慮したもので、契約書の作成に関してのスタンダードということができるでしょう。

その前提とするモデルが、現在のスタートアップ的な企業によって迅速な開発をなすというモデルとは、大分異なってきていること、また、特に、現在のように種々のサービスがAPIを通じて利用可能になっており、そのサービスを組み合わせて、一つのソフトウエアを作成するというのとは、想定する開発のモデルの点で、相違があるということになるのではないかと思われます。

(2)同 モデル取引・契約書<追補版>

追補版の概要はこちら

同じく報告書は、こちらです。

この趣旨は、 ITの専門知識を有しないユーザと、業として情報サービスを提供するベンダとの間の契約関係を主として念頭におくものです。 共通フレーム2007準拠、一括発注、マルチベンダ、工程分割発注に対応しています。このモデル契約書は、システム基本契約書と重要事項説明書とセットで利用することとされています。

専門知識を有しないユーザを前提としているために、システム基本契約書の条項自体は、(1)に比較して簡潔になっていますが、重要事項説明書も、契約書として一体をなすものであり、そこまで含めると、相当程度、簡潔であるとはいえないように思えます。

(3)JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)ソフトウエア開発モデル契約
このモデル契約書は、(1)をベースに、ソフトウエア開発の経験を踏まえて検討が深化している点、ベンダとしての立場からの変更・選択が強調されているとされます(後述 資料)。
なお、解説としては、セミナー資料があり、参考になります。

2010年7月13日 JEITAソフトウエア開発モデル契約の普及啓発に向けた取組み

2008年7月18日 JEITAJEITA ソフトウェア開発モデル契約 解説書

JEITAでは、日弁連コンピュータ委員会「ソフトウエア開発関連判例」(平成19年)を参考にトラブル事例集を作成したようで、コンピュータ委員会がきちんと世間のお役に立てたことの一つの証明になるかと思います。(なお、正式名称は、「日弁連特別研修 ソフトウエア開発に関する法的紛争処理について」ですね)

この資料は、「トラブル事例から学ぶ、プロジェクト成功に向けたモデル契約書活用のポイント」

(4)JISA(一般社団法人情報サービス産業協会)ソフトウエア開発委託基本モデル契約

これは、JISAが、経済産業省のモデル取引・契約書(第一版)に準拠して平成20年5月に策定したものです。

作成された趣旨としては、「選択可能な条項案から特定の条項を選択する際の考え方を示し、所要の補正を行うことによって、当協会が既存モデル契約とともに示したポジション並びに情報サービス企業等の昨今の取引実態を反映させるとともに、本モデル契約が幅広い場面で活用されるよう個別契約書、短期少額取引用の基本契約、中小企業取引に用いる説明書等のサンプル書式の整備を行ったということになるそうです。

平成20年度報告書「ソフトウェア開発委託基本モデル契約と解説」概要(PDF版)

JISAソフトウェア開発委託モデル契約(平成20年5月)pdf版

JISA「ソフトウェア開発委託基本モデル契約」の FAQ集